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利他的な製品としてのレンズ


設計データの共有が容易なデジタル工作機械とwebのオープンコミュニティの接触は新しい「生態系」を生み出す可能性がある。その例として、webとの親和性が高い写真と関係が深く工業製品の象徴でもあるカメラレンズをモチーフに、市場には存在しない涙滴型のものを制作した。それは被写体の視線をカメラへと引きつけ、周辺を滲ませたポートレートをつくりだす。
造形部:レンズ(3Dデータを元にNC切削マシンで球面状へ加工したアクリル)、筐体(積層面の凸凹を部品同士の接続へ活かすことを前提に、3Dプリンタで溶融させて積層したABS樹脂)、絞り(正確な光量を確保するためレーザーカッターでドーナツ型に加工した黒紙)
光学設計環境:Rhinoceros+Grasshopper(有機的なレンズのための3Dデータ設計用に、3次元形状の光線追跡を可能とするシミュレータを自作)
鈴木 雄貴
1988年京都府生まれ。
京都精華大学プロダクトデザイン学科卒業
製品のデザインを軸に、ハードウェア、ソフトウェア、製品を取り巻く関係性について学び作品を制作、展示発表をおこなう。